眼をはぐくむ

金剛の露ひとつぶや石の上 川端茅舎

2018年秋 おすすめの名句


~ようやく訪れてくれた秋…私がとても好きな秋の名句を

皆様にぜひご紹介させて頂きたく思います~

私が全俳句の中でもっとも愛する句です。川端茅舎は岸田劉生に師事し、画家を目指しておりましたが

病の為俳人へと転身なさりました。日本画家 川端龍子は異母兄です。

この句を読み、私は森の奥の木々の狭間にある少し大きな石を思い浮かべます。

石の上の露は真ん丸に漲っており、あたかも金剛(ダイアモンド)のような輝きを湛えているのです。

この句を読みますと引きずり込まれるような深い静寂を感じます。

森の中を見渡す視点は、茅舎の巧みな技法により石の上のひとつぶの露へと

フォーカスされていきます。

読み手の視点を自在に操る句の構築のなさり方は

画家を目指された方だからこそ…

師匠である劉生の切通の絵の技法に通ずるものを強く感じてなりません。